wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

初めての派遣

ロットネスト島にいるとき、メールが来た。誰かと思ったら派遣会社からだった。あれ、旅行でいないといっておいたのに。現実に引き戻すなよ。まったく…。
 在職中に派遣会社に登録し、1件だけ応募していた。その会社の面接日のお知らせだった。このときの派遣会社の営業さんはルーズそうな感じの人だった。
帰国後、面接に行く。そこは大手新聞社のグループ会社。こんなきちんとした会社は緊張する。面接したのはでっぷりお腹の部長さん。最初から私に対して興味なさそうな態度。「あなたじゃスキルが高すぎる」とかなんとか。面接が終わって退室するときも、私がまだ部屋を出ていないのに電気を消された。なんだこいつ。案の定、結果は「ノー」だった。派遣って面接までいけば確実に決まると思っていた。ちがうんだね、勉強になりました。翌日、派遣会社の営業さんから電話がかかってきた。「昨日の件、やっぱりお願いしたいです」と。はあ? だって断られてんじゃん、しかも昨日の今日だよ。どういうこと? 他社との競合で向こうが断ったのかなんか知らんが「やっぱりお願いしたい」だと。胸糞悪かったがOKした。
さて9社目開始。最初は1週間研修ということで、でっぷり部長の横に座らされ、チェックを受けた。他に派遣さんがいたが、みんなはそんなことされなかったと言っていた。つっけんどんで感じ悪いでっぷり部長。もはや私の天敵か、この年代のおっさんとはつくづく相性が悪い。言っておくが私は派遣の身。終始おとなしく、失礼のない態度で指示されたことをこなしていただけだ。でっぷり部長、どうしても私を落としたかったのだろう。でも、私が思った以上にできたもんだから(自慢ではない)、そのうち文句も言わなくなった。現場で私たちの面倒を見てくれる女性社員の人はとても感じがよかった。忙しいなか勉強会を開いてくれたり、ランチにも誘っていただいた。このあともいろいろな会社で働いたが、後にも先にもこんなにできた人はいない。
仕事に慣れてきたものの、私はどうしてももう一度出版社で働きたくなり、1年ちょっとで契約を終えた。あのでっぷり部長に「あなたは何の問題もないのにどうして?」と言わせた。
後で聞いた話だが、でっぷり部長は地方に異動になったらしい。