wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

職場見学2

あのあと、またすぐに声がかかった。
今度は公的機関での仕事だ。
通勤経路がちょっと面倒&遠かったが、業務内容でエントリーしたところだった。
いざ会社見学の日。
早めに着いて喫茶店で一服していた。初めて来る駅。見事に何もない。想像していたより地味だなあ。
待ち合わせ時間近くになったので駅まで戻り、営業さんと落ち合う。
営業さんと打ち合わせ。
営業さん曰く、先方が「なかなかしっくりくる人が見つからない」と。
私の前に派遣がいたが、辞めてからしばらく空いているとか。久しぶりの面接だという。
先方に「まっさらの若い人を入れて育てるのは?」と提案しても、「教える余裕がない」と断られたらしい(これはあとで理由がわかる)。
いざ面接。
実際に一緒に仕事をすることになる担当者の若い女性、研究員のベテラン女性、総務部長らしきおじさんの3人と面接。
なごやかに進んではいたが、この「担当者」の女性、人を探るような目を私に向けてくる。
まあ、自分の部下になる人を探しているのだから無理もないだろう。でも、気になった。
「年下の人から指示されることには抵抗ないですか」
「まったくありません」
だって、今までもそうだったし、それに、私は元々そんなの気にしない。
前の人が気にする人だったのだろうか。
それにしても考え方が古い。
さらに、ネガティブな質問ばかりぶつけてくる。今回の案件は私が得意とする業務のほかに、事務的なこともやらされる条件だった。
「〇〇はやったことありますか」
「ないです」
「頻度としてはそれほど多くはないんですけど、ちょっと、私も教える余裕がないので、自分で調べてやってもらえますか」
「はい」
「私もここに入ったとき、誰にも教えてもらえず自分で調べてやってきたので」
終始、こういった質問の仕方をしてきた。
「私は教えてもらえなかった」だからお前も自分でやれ、といいたげな。
別に自分で調べてやるのは平気だが、こういう意識の人って、嫌だなと思った。
よっぽど忙しくて気持ちに余裕がないんだろうなと思った。
さらに「それから、電話もとってもらいたいし、進行管理もやってもらって」
それは聞いていた業務内容の範囲だが、コイツにいいように使われると思った。
仕事とはいえ、それを超えて「いいように使われる」と感じた。
研究員の人と話したとき、大学での専攻の話になって「文学・哲学を専攻していました。一応、大学院で修士課程を修了しています」と伝えたとき、担当者の女性は「んんっ」という顔をしていた。
面談が終わって、とりあえず金欠の私は営業さんに「よろしくお願いします」とはいっておいたが、多分だめだろうと感じていた。万一、決まってしまったら、断ろうと思っていた。
今日、返事がきた。
「すみません~。次につなげることができませんでした」
ああ、よかった。時給も安いし、あんなとこ行きたくない。
企業にとっては選び放題だからわがままが許されるのかもしれないが、ああいう担当者の望むような人はなかなかいないだろう。こちらにも選ぶ権利はあります。