wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

2005年の考察(抜粋)1

うわっ、16年前に書いた修論が出てきた(^^;
でもこれ、今の時代に合ってるんじゃないか? 早すぎたかなあ。
記念に抜粋だけでも載せておくか…。

 

ここで、本章のまとめをしたいと思う。つい、私たちは「身体の性」と「性自認」が一致するものと思いがちだ。しかし、性自認とは身体に関係なく抱くものであって、上で示した例(よりもっと多く)のように実にさまざまなパターンがある、ということをまずは認識してほしい。

そして、性ホルモンの働きに精神が影響されることはないのか、ということについては、私は「影響される」と思う。ただ、全てが性ホルモンあるいは身体的な影響だとは考えていない。性ホルモンによる身体の変化が「~らしさ」をつくり、その身体を持った私は他者との出会いまたは視線によって(お互いに)影響を受け、再び私自身へと戻ってくる。その相手は自分にとって異性なのか、同性なのか、知人なのか見知らぬ人なのか、年上なのか年下なのか、など状況によって体感することは違うだろう。そうした、いわば社会との接触の積み重ねが、私という人間をつくり、他者に抱かせるイメージをつくっていくものだと、私は考える。その最初のきっかけをつくるのが、性ホルモンの作用で変化する身体的な特徴(身長、体格、声など)なのではないかと思うのだ。