wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

公務員時代2

 
ここでの仕事で忘れられないものがある。
私が配属される前、全庁的な異動が行われる前、まだ旧メンバーがいた頃の4月当初に処理した年間契約のひとつに、電話機の設置に伴う土地使用料があった。役所の敷地内に公衆電話を置くのに、NTTがその土地使用代を一年分まとめてうちの役所に先払いするというものだった。それがどうやら、私の前任者が月額単価を1円間違えて徴収していたらしいのだ…。これは監査に引っかかるので正さないといけない。というわけで、私は戻入の起案をし、決裁を経て、出納長で現金12円を受け取り、多く徴収していた12円を返すため、主任と一緒にNTTへ行った。主任が経緯を説明し、12円を返そうとしたらNTTの担当者が「いりませんよ」と受け取らない(そりゃそうだろう)。それでも主任が「受け取っていただかないと困るんです」と押して、NTTの担当者はしぶしぶ受け取った。税金を使って仕事をしている身としては1円たりとも無駄にしてはならない。それにしても「なんだよこの仕事は」と心の中では泣きが入った。当の前任者は引き継ぎに顔も見せず、電話で問い合わせてもなしのつぶてだった。本当にチャラい、いいかげんなやつだった。なぜ前の経理係のメンバーが全員リフレッシュされたのか? 役所では通常こういうことはまずない。半分もしくは最低でも1人は残しておくものだ。そう、前のメンバーはみんないいかげんだったらしいのだ。単価を1円間違えるなんて、こんなミラクルなミス、ナイスなバカだよ、ほんと。こういうやつに職員として給料与えていることこそ税金の無駄遣いだよ。あ~もうそろそろ定年かな。こうして、前の経理係のメンバーのしりぬぐいをするところから私の社会人生活が始まった。