wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

14社目

自分の根気のなさにホトホト嫌気がさしたが、嫌なものは嫌。元来、白黒つけたがる性格で、妥協したのもよくなかった。とにかく歩き続けるしかない。でもエントリーできそうな案件がない。しかたなく短期の案件で探す。カタログ制作の原稿整理とあったので、校正に準ずることかと思いエントリー。これまた想定外の展開で、何と面接なしで即採用の通知。「いつから来れますか」だと。焦る。ちょっと旅行に行きたいので~と出社日を後にずらしてもらった。
2019年12月12日。やっとやっとオーストラリアに行くことができた。次の仕事の都合上、たった5日(正味3日)の旅行となった。またメルボルンに行った。今回は街歩きのみ、でもそれだけではつまらないので何かアクティビティを…トリップアドバイザーで見つけた、ヤラ川でカヌー。いいねえ。すぐに予約した。私がオーストラリアに行くときはいつもカンタス航空だ。チケット代が高くてもカンタスにこだわりたかった。初めて行ったときの機体はボーイング747。いま、成田発着のカンタスはすべてエアバス330になってしまった。そしてメルボルン行きのカンタスは羽田に移ってしまった。ボーイングのほうが機体がかっこいいし、座席スペースが広くて好きだったのに。でもカンタスカンタス。あのカンガルーマークの尾翼を見るとテンションがあがった。この日はふたご座の満月。フライト中、ずっと満月がついてきた。滞在中の2日間は思ったより寒かったが、最後の3日目は暑かった~しかもヤラ川でカヌー。日焼け止めを塗ったがバッチリ焼けた。今度ここに来られるのはいつになるだろう。
季節外れの真っ黒な顔で14社目スタート。この日初めて行く。どんなところだろう…。うげ~、ものすごくちっちゃいビル。エレベータを出てすぐの扉を開けると…せまっ。え、トイレどこにあるんだろう。前回のトラウマがよみがえる。挨拶し終わると「!」チャ~ンチャラララララチャ~ンチャラララララ~♪ ラジオ体操の音楽が流れてきた。「あ、いつも皆でやってるんです。よかったら」と、みなさんラジオ体操を始めた。うわ~ダメ。こういうことする日本的な会社は無理。ああ、これダメかも。ラジオ体操が終わり、仕事の説明。原稿整理ってこういう仕事だったっけ? ウィジウィグ? PDF上で指示をする?理系バリバリの社員さん、何言ってるのか私には全く分からない。え~とトイレは…これまた小さなスペースに、誰かが使っていたら入れない個室があった。無理だ。1週間後、派遣会社の営業さんがきたので「無理です」と言ったものの「先方は続けてほしいと言ってます」と。ええ~。でも我ながらこれまでの自分の行いはひどかった。ここは我慢のしどころか。3か月だから全うしてみようか。「じゃあ、頑張ります」。今度はこれが裏目に出た。契約の更新をしたすぐあとに、私が最初の派遣で行ったあの会社が募集していたのを見つけた。営業さんに正直に言って更新を撤回してほしいと頼んだが「無理です」。ああ、あの会社に戻りたかった。誤解しないよう言っておくが、14社目では、社長をはじめ社員さんたちによくしてもらった。あの出版社のメガネ女のようなことは一切なかったし、気をつかっていただいた。結局仕事のやり方が腑に落ちないまま、それでもなんとかこなし、嫌だったけどラジオ体操も毎日して、3か月の契約を全うした。