wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

エスペランス

私たちのプランにのってくれる日本人の女の子が決まり、いよいよ西南部を旅することになった。レンタカーで10日間、約3000kmの旅だ。
マーガレットリバーではワイナリーめぐりをした。試飲しながら運転したのはご愛嬌ということで。アルバニーではナチュラルブリッジへ。ペンバートンで木登り、デンマークでカヌーをした。それまで私は、不安なので宿はあらかじめ決めておきたいタイプだったが、どうにも予定どおりにいかない。当日、キャラバンパークを探してアポを取るというスタイルに変わっていった。意外とこれがよかった。キャビンを1軒借りて泊まった。4人で割り勘すればユースとさほど変わらない。食材をスーパーで買ってきてみんなで晩御飯を作った。私のビールはスタビ―からボトル(ロングネック)に変わっていった。当時はボトルでも4ドルしなかったと思う。スタビ―が1.6ドルくらいだった。今じゃ考えられないくらい安かった。
一歩町を出ると次の町まではなんにもない草原地帯を走ることになる。しかもかなりの距離だ。給油は町にいるとき必ず行った。また、夕方になると動物が活発になるので暗くなったら運転しないようにした。一度、どうしてもトイレに行きたくなり、やっと見つけた民家にピンポンしてトイレを貸してもらったことがあった。嫌な顔をせず私たちを受け入れてくれた。今だったら時代的に無理かもね。おばさん、ありがとう。夕方になってもまだ町に着かず、車を走らせることもあった。一面にオウムの群れがいたり、牧場の牛たちが移動して道をふさいでいたこともあった。そして忘れられないのは、月だ。地平線から丸いものがあがってくる。あれ? これから夜だよね? 太陽がまた昇ってきた? なんて寝ぼけたことを言ってしまった。地平線からでっかい月が、まるで太陽のように昇ってきたのだ。初めて見た。
そしてとうとうエスペランスへ。2月の上旬(泳げるベストシーズン)に来たくて、この日程を組んだ。ここでもキャラバンパークに泊まった。ラッキーベイ、ヘルファイアーベイ。人がほとんどいない、プライベートビーチのようだった。インド洋が一番きれいだと思っていたが、この海は深い青。素晴らしかった。ここは死ぬまでにもう一度行きたい場所だ。ビーチにカンガルーの親子がいたので思わず写真を撮った。エスペランスでは海はもちろん、おいしいケーキ屋さんがあるというので食べに行ったりもした。山からの帰り道、カンガルーに出くわし、車を停めて窓を開けたら、何かくれといわんばかりに顔をつっこんできたこともあった。道中にピンク・レイクもあった。塩湖なのだが…なんでピンク色なんだっけ。不思議だった。
エスペランスを後にし、最後に寄ったのはウェーブロック。観光に来ていた外国人がサーフボードを貸してくれた。ウェーブロックは…ツアーでいくほどじゃない。私たちは帰り道の途上にあったので寄ったけれど。
途中、タイヤをパンクさせてしまいガソリンスタンドでスペアタイヤに替えてもらったりしたが、事故もけがもなく、無事に4人ともパースに戻ってきた。大満足の旅だった。