wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

公務員時代6

新規採用でこの職場に来て3年目。このまま一生こういう仕事を続けていくのかと思うと気持ちが沈んだ。もっと公共性の高い、人の役に立っていると実感できる仕事だと思っていたのに、現実は違っていた。
私は幼い頃から自分は男(の子)だと思っていた。好きになるのは女の子ばかりだった。野球が大好きだった。でも10歳と1カ月のとき、生理がきた。その前くらいから胸が膨らみ始めていた。ケツもでかくなってきた。背も一気に伸びた。ああ、自分はやっぱり女だったのか。ショックだった。保健室に一人呼ばれて、保健の先生からいろいろと話を聞かされた。股の違和感が気になる。プールにも入れない。運動もできない。こんなどでかい錘を背負わされて生きていかねばならないのか。いくら見た目が女であろうとも、自分が男である証として、絶対に男とは結婚しない、そう幼心に決めた。大学に行って将来のことを考えようと思っていたのに経済的な事情で行けなくなり、就職せねばならなくなった。高校3年のとき、自分ひとりで食っていかねばならないと、仕方なく公務員を選んだのだ。
現実を知って、高校3年のときの決意が揺らいだ。まったく、いまの職場には誰一人尊敬できるような人がいない。あんなふうに自分も年を取っていくだけなのか。辞めたい気持ちもあったが、来年の春には別の事業所に異動できることになり、もうちょっと頑張ってみようと思った。