wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

ラ・カンパネラ

昨日は念願叶ってフジコ・ヘミングさんのソロコンサートに行ってきた。クラシックのコンサートは初めてだ。
場所は東京文化会館。今から32年前の春、ここで社会人デビューの式典に参加したっけ。32年後の秋、こんな自分になっているとは…。
フジコさんのことは1999年頃のドキュメンタリー番組を見て知った。その波乱の人生に衝撃を受けた。フジコさんの弾く「ラ・カンパネラ」に心をゆさぶられた。以来、いつかコンサートに行きたいとずっと思っていたが、気づくといつも完売。タイミングが合わなかった。
やっと生で聴ける。
開場時間前に到着、コロナ対策のため消毒や検温が行われたがスムーズに入場できた。
自席に到着。A席だけど意外と見える。
すると係員の人が来て、私のチケットを見せてほしいと言う。係員の手には別の人のチケットが…。「ちょっとお借りします」とチケットを持っていった。私の隣の人もすでに着席していたが、その人の席もダブりが発生していたらしく、係員がチケットを持っていった。隣の人も私も、興行元からチケットを買っていた。
結局、私たちはそのままでOK、後から来た人(コンビニ発行のチケット)が別の席に移動したらしい。係員の人が「すみませんでした」と言ってチケットを返してくれた。
ちょっとしたトラブル?があったものの、コンサートは最高だった。
ブザーが鳴って暗転した舞台、スタッフに手をとってもらいながらフジコさん登場。スポットライトが当たった瞬間、涙が出てきた。きれいな紫色のドレスを着ていた。
体調が悪かったらしいが、それでも2時間(途中休憩20分)楽しませてくれた。
次から次へと紡ぎだされる音。前へ前へと進んでいく。「存在と時間」をふと思い出した。
いま、この瞬間を生きている。フジコさんのピアノを聴いている。
「ラ・カンパネラ」を生で聴けてよかった。
愛の夢」もよかったな。
心も体も浄化された。
ありがとう、フジコさん。