wanderer

人生放浪記(まだ更新中)。物心ついた頃から性別に違和感あり。職業選択の不自由を味わいながら結果的に「放浪者」になってしまったこれまでの人生を振り返る。

内陸縦断往復の旅-南下編

今度はダーウィンからアデレードに向かう。まずはキャサリン渓谷でカヌーを体験。これ以降カヌーにハマる。鍾乳洞のツアーにも行ったが大したことなかった。そして翌日はマタランカへ。温泉があるというので1泊してみた。温泉といっても水着着用だ。うっそうとした林を歩いていくと池のようなものが。入ってみると…ぬるい。つい日本の温泉をイメージしてしまった。ただのぬるい池だった。やたらギャーギャー鳴き声がするので、変わった鳥でもいるのかなあと見上げると、後ろの木にたくさんのコウモリ(フルーツバット)がぶらさがっていた。しかもでかい。ギョッとしてさっさと温泉を後にした。
着替えて敷地内のお店で休む。お客は誰もいない。と、店内のラジオから演歌が流れてきた。店のおじさん、私が日本人とみてかけたのか? こんな熱帯の小さな町で演歌を聞くとは…不思議な時間だった。
さて、トラベリン・バスを再開し、アリススプリングスへ。オーストラリアの長距離バスはちょいちょい休憩をはさんでくれる。だいたい24時間オープンのロードハウスに停車するので、たとえ2日ぶっ通しで乗ることになっても食事する時間をとってくれる。簡易シャワーを備えているところもある。とても便利だった。
真夜中、突然バスが停車し、運転手がバスを降りた。うとうとしていたので気づかなかったが、どうやらカンガルーを轢いてしまったらしい。ああ、かわいそうに。オーストラリアは夜行性の動物が多いので、車の運転は気をつけなければならない。
早朝、アリススプリングスに到着。往路のときと同じユースに予約を入れておいた。チェックインまで時間があるので荷物を預けようとしたとき、気づいた。財布がない! バックパックの中にない! ああ、短パンのポケットに入れたんだった。たしか現金は5ドルくらしいしかなかった。でもキャッシュカード、クレジットカードも入れていた。最悪だ。エアーズロックを目の前にして旅を中断しなければならないのか…。バスターミナルから来た道をたどるもなし。念のためバスターミナルで聞くも「いまバスが回送で出ちゃってるから、またあとで来て」と。参った。
幸い、ダーウィンですべての行程を予約し、お金を払っていたのでユースには泊まれるし、エアーズロックのツアーも行ける。が、この先どうすんのよ。パスポートと一緒に入れておいた1万円を両替するか。クレジットカードも止めなきゃ。めんどくさいなあ。憂鬱な気分でユースに戻ったら、日本人の男がプールに入っていた。「すみませーん、日本人の方ですか?」と。そうだけどなに?と言うと「あの~、このへんで床屋さん知りませんかあ?」。はあ? 私だって着いたばかりだから知らないよ。「そうですかあ」。いらいらさせるバカっぽいしゃべり方だった。こんなときに俺にそんなの聞くなよ(心の本音)。
昼過ぎ、もう一度バスターミナルに行く。さっき対応してくれたお兄さんがいた。私の顔を見るとすぐわかったようで、「財布の色は何色?」と聞いてきた。私が「赤です」と言うと、笑顔で「これ?」と。そうですそれです! うわあ~良かった! 中身はすべて無事だった。奇跡だ。半泣きになりながらお兄さんにお礼を言った。ああ、本当に良かった。
スーパーで買い物してユースに戻るとさらに驚くことが。出発前、ワーキングホリデー協会の英会話教室で一緒だった子がいたのだ。彼女も明日からエアーズロックのツアーに行くらしい。しかも日本から彼氏が来ていた。ごちそうさまです(笑)。
いよいよ、前半の旅のメインであるエアーズロックに向かう。